母
春になれば
母が亡くなって5年になる
とても優しいひとだった
おそらく、わたしが人生で出逢ってきたひとのなかでいちばん、愚かなほどに優しいひと
そう、そんな優しさのかたまり。
そんな母も、父親が年金暮らしになり
生活苦に伴って
金!金!金!というようになった
まるで、認知症にでもなったんじゃないか?というくらいに。
でも。人と生きるとはそういうことだ
むしろ、家族なんてもんは
苦しみや傷つけ合いがほとんどなんじゃないのか?と想うくらい。
お金っていうのは
それだけ魔力があるんだな。
あの母でさえも。お金の魔力に負けてしまった。
負けてしまったが。
私は、人の内なる魂は永遠だと想う。
今生での苦しい、愛しい一生おつかれさまでしたと
心から想う。